私は大学院生のとき、ドキュメンタリー映画やテレビ番組の作成に関わり、ネイティブ・アメリカンの人々と知り合い、教員になってからも、大学が休みに入るとすぐに彼らの保留地に出かけていくという生活を20年以上してきました。これが、私が異文化理解やエコロジーに関心を抱くきっかけとなり、外国語教育の究極の目的は、多様な民族が平和的な共存関係を築くこと、地球規模の課題を世界の人々と共に解決することにあると思うようになりました。英語教育ゼミにおいては、学生たちが世界への扉としての英語を用い、各国の子ども達とSDGsの内容をテーマとした国際協働学習をする試みに携わってきました。「持続可能な社会の創り手」を育成する教育が、小中高大連携カリキュラムの柱になると考えています。ことばの力を信じて思考力を鍛え、よりよい地球市民を育てる学習活動を共にデザインし実践してくれる学生さん達と学び合える日々を期待しています。

坂本 ひとみ 教授
- 専門分野
- 持続可能な社会の創り手を育成する英語教育
担当科目
英語科教育法ⅠA・ⅠB
英語科教育法特講A・B
英語表現ⅠA
特別演習Ⅰ・Ⅱ
教職実践演習(中・高)
英語科教育法Ⅱ
卒業論文
担当科目の内容
「英語科教育法特講A・B」
「英語科教育法ⅠA・ⅠB」
中学校および高等学校の英語教員として、小中高の発達段階を考慮し、学習指導要領(外国語編)の目標・内容に沿って、今日求められる国際的な英語力を育成する教育法について基礎から発展までを学びます。講義では、理論と実践の往還により、第二言語習得理論研究に基づく指導に関する知識と技能についての学修を促します。
「特別演習Ⅰ」
本セミナーでは、学生が各自のテーマに基づいて卒業論文執筆のための研究を行い、その成果を互いに発表して、評価し合うことを目的とします。それと並行して、ゼミの全員で取り組む卒業協働プロジェクトを行い、社会に貢献する体験を持てるようにします。
業績
<主要業績>
著書
・『アメリカ研究とジェンダー』(世界思想社、1997年、共著)
・『イギリス文化事典』(大修館書店、2003、共著)
・『小学校英語のためのスキルアップセミナー』(開拓社、2019、共著)
・『学びをつなぐ小学校外国語教育のCLIL実践』(三修社。2019、共著)
・『地域と世界をつなぐSDGsの教育学』(法政大学出版局、2021、共著)
・New Horizon Elementary 5 (東京書籍、2020、2024、共著)
・New Horizon Elementary 6 (東京書籍、2020、2024、共著)
論文
・”Global Education in English Classes from Elementary School to University in Japan”
(『東洋学園大学紀要 第17号』、2009、単著)
・”Project-Based Learning for Peace Education in EFL Classes” (『東洋学園大学紀要
第19号』、2011、単著)
・”Incorporating ESD into EFL Classes"(『東洋学園大学紀要 第23号』、2015、単著)
・「21世紀型の『生きる力』を育む小学校英語教育」(『生涯学習とキャリアデザイン18(1)』、法政大学、2020、共著)
・「ESDをめざした小学校のCLIL授業の試み―フィンランドの教育の視点を通してー」
(『東洋学園大学紀要 第32号』、2024、単著)
教育業績
・EUのエラスムス・プラスのプロジェクトに参加し、ヨーロッパの中学生に英語で日本文化を教える授業を、ハンガリー、ポーランド、ポルトガル、トルコ、ギリシャで実施
(単独、2016~2024)
・現地の英語教員セミナーにおいて講師を務め、国際理解教育をめざしたCLIL授業についての講演を、カンボジア、フィリピン、ベトナムで実施 (単独、2014~2018)
経歴
・東京大学教養学部教養学科イギリス科卒業
・東京大学大学院英文学専攻修士課程修了(文学修士)
・東京大学大学院英文学専攻博士課程 単位取得満期退学