本学科の「発達心理学基礎演習A」という授業を紹介します。この授業は、1年生の必修科目です。発達心理学に関する基礎知識を体感的に身につけること、発達心理学に関する文献を読むこと、心理学の効果を調べるための統計解析について学ぶことの3つがメインテーマになっています。
今回紹介する眞榮城和美准教授が担当している授業では、本学の自然豊かなキャンパスを最大限に活用して、リラクゼーションの効果を心理学的に検証することを目的としておこなわれました。


今回の授業では、「瞑想することで血圧が下がるのか?」をテーマにリラクゼーションの効果を心理学的に調べてみることにしました。心理学はこころの動きを客観的に測定して数値としてとらえなおします。今回用いた測定指標は血圧です。10分間の瞑想というリラクゼーションが人をリラックスさせる効果があるのか、血圧の値の変化を用いて検討します。
リラクゼーション体験は血圧を正常値に戻す効果があるといわれていますので、瞑想をした後の血圧の値は、教室で測った血圧の値より低くなっていることが予測できます。
まず教室において、受講しているみなさんが血圧を測り、数値を記録します。

次に、チャペルに移動して、10分間瞑想します。チャペルという落ち着いた空間で何も考えずにゆったりと時を過ごす体験はリラックス効果がありそうです。

そして10分後、再度、血圧を測定します。教室で測った血圧よりチャペルで測った血圧の方が低ければ、瞑想に人をリラックスさせる効果があったといえそうですよね。結果はどうでしょうか…?

血圧の数値的な変化は小さかった方が多いようでしたが、ここから先が「心理学的にしらべる」醍醐味になります。次の授業では、統計解析を用いてこれを調べていきます。はたして、チャペルで測定した血圧の値は教室で測定した血圧の値より低くなっていると、心理学的に証明できるでしょうか???
自分が生きてきた中で経験してきたこと、疑問に思ったことを科学できる、それが発達心理学科の魅力の1つです。オープンキャンパスでも心理学を体感的に学ぶ機会を準備しています。みなさまのご来場、お待ちしています。
(発達心理学科)