10月9日(木)本学クララホールにて、白百合女子大学フランス語フランス文学会主催で、調香師のダニエル・ペシオ氏による講演会「香水の魔法 ― 香水の歴史と調香師の仕事」が行われました。
フランス語フランス文学科の学生はもちろん、他学科の学生や大学院生にくわえて、学外からも多数のご参加をいただき、およそ60名が参加する大盛況の催しとなりました。
講演ではまず最初に、古代エジプトから現代までの香水の歴史について、それぞれの香りを実際に体験しながら解説いただきました。香水と聞くと、小瓶に入った液体を想像しますが、古代エジプトで使用されていた香水は「キフィ」とよばれる固形の香水だったとのこと。そのほかにも、古代ローマ時代にはアヤメやオレンジの花が使用され、中東では蒸留の仕組みが誕生するなど、香りはどの時代でも人々の暮らしと密接に結びついていたことが分かります。
後半では、ペシオ氏の香水制作についてお話しいただきました。京都の町からインスピレーションを得て、日本酒からつくられた香水や、収穫された稲の香りと周囲のミカン畑からインスピレーションを得た香水など、すでに知っている香りを別の視点からとらえなおし、香水として体験するのは興味深い経験です。会場のみなさんも興味津々の様子でした。
終了後に行われた、フランス語フランス文学会の学生による茶話会では、ペシオ氏にたくさんの質問が寄せられ、それぞれの質問に専門家として真摯にご対応くださった様子が印象的でした。
貴重な機会を与えてくださったペシオさん、今回通訳を担当くださった本学名誉教授の中井珠子先生、本当にありがとうございました!