学びの内容

ナカガワ キョウイチ

中川 恭一 教授(基礎教育センター)

専門分野

図書館学(公共図書館)

自己紹介・学生へのメッセージ

■自己紹介
図書館で働き始めたころ、朗読の勉強会に誘われ、やがて盲人の医師と出会いました。週刊誌の記事を音訳者に依頼し、カセットテープをとりまとめて自宅のオーディオ機器で編集、複製して利用者に届けるボランティアの中心メンバーでした。周囲が寝静まった深夜にカセットデッキにマイクを継いで録音した日々が懐かしい。以来、目の不自由な方のための音訳資料の製作に関わりだしてから、大勢の音訳者のみなさんとどうやって役に立つ情報を届けられるのかについて工夫を重ねてきました。それは活字情報をさまざまな媒体や手法ですべての人に届けなければならないという公立図書館の使命と重なるものでした。初めの一歩がやがて大きな流れになっていくことを体験できたことは大きな喜びでした。そこから次の目標を考えること。また始めることを学びました。無駄にしたと思った時間もどこかで取り戻せると考えれば、やってやれないことは何もないと思えてきます。千里の道も一歩から始まることを信じよう!

■学生へのメッセージ
SNSの時代、ますます通信手段が発達していく現場をみなさんは目撃していくことでしょう。同時に、正確な情報を常に入手できる環境を身の回りだけでなく、社会に浸透させていくこともみなさんの使命だと思います。すべての世代にとって重要な情報拠点であり続けるためのこれからの公共図書館について、現場での体験を伝えながら共に学び、公共図書館のミッションについて共に考えていきましょう。
担当科目
■司書課程
図書館サービス概論
図書館制度・経営論
図書館基礎特論
図書館総合演習
図書館実習
担当科目の内容
◇図書館サービス概論◇
司書課程の入門編。知らないことばかりですが、ここから図書館がだんだん面白くなっていきます。疑問点を解消しながら進めます。

◇図書館制度・経営論◇
図書館法や憲法とのかかわり、条例について学びます。また、図書館の選書や事業
計画、評価を市民に伝える図書館経営について理解を深めます。

◇図書館基礎特論◇
印刷の歴史、出版のしくみ、本や雑誌をめぐる様々な問題、著作権や地域資料のデ
ジタル化など、図書館を取り巻く問題を解き明かしていきます。

◇図書館総合演習◇
公立図書館の各サービスを取り上げ、現状や問題点などを共に考え、発表を通じて、
図書館活動への理解を深めていきます。

◇図書館実習◇
夏休み期間に現場での研修を体験するプログラムに参加します。利用者目線では習得できない貴重な現場体験を通じて、司書としての業務を理解します。
業績
【著書】
  • 『東京にデポジット・ライブラリーを-多摩発、共同保存図書館基本構想』(共著)ポット出版、2003.12

【論文】
  • 「西東京市の誕生による図書館サービス統合について (特集 市町村合併と図書館)」日本図書館協会『図書館雑誌』96巻8号、2002.8
  • 「東京都西東京市における合併への対応 (市町村合併と図書館~事例報告と質疑応答--21世紀第7回図書館セミナーより(2))」図書館の学校『図書館の学校』54号、2004.6
  • 「西東京市における複合による図書館施設更新計画」(日本図書館協会図書館施設委員会主催建築研修会)日本図書館協会『公共施設マネジメント計画と図書館』、2018.2

【発表】
  • 「市町村合併と図書館」(第88回全国図書館大会群馬大会、2002.10)
  • 「基調講演「市町村合併と図書館」」(日本図書館協会図書館づくりセミナー2004、2004.1)
  • 「利用者交流会を開催してみて」障害者サービス分科会(東京都多摩地域公立図書館大会、2006.2) 
  • 「事例研究」(東京都市町村職員研修所実務研修図書館科研修、2020.11)
経歴
東洋大学社会学部応用社会学科図書館学専攻卒業
元西東京市図書館長
専修大学文学部司書課程非常勤講師
(公社)日本図書館協会図書館調査委員会日本の図書館調査委員長
同図書館施設委員会委員
特定非営利活動法人共同保存図書館・多摩理事
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