学びの内容

学科長メッセージ

 

 

国語国文学科 学科長 小林 明子  教授

 われわれを取り巻く現代社会は、日本国内にとどまらず世界とも通じる、実に多種多様な情報によって、変化に満ちたものとなっています。このことは、皆さんも日々実感されていることでしょう。またこの社会は、喜怒哀楽の感情を具えた生身の人間同士が結びつくことによって成立しているわけですが、長い歴史をひもといてみると、社会状況や思想、価値観、風俗習慣等について幾つかの転換期を経てきました。今現在も、転換しつつある時期といえるかもしれません。こういう現代社会のなかで生きる皆さんが、大学で国文学を学ぶことには、どのような意味があるのでしょうか。
 文学作品には、古典文学から現代文学まで数多くのものがあり、書き手も多数存在します。例えば小説では、それぞれに個性豊かな人物が登場し、さまざまな出来事が起き、物語が展開していきます。読者であるわれわれは、一回きりの人生を生きるわけですから、おのずとその間に出会う人や経験の数は限られます。しかし古典から現代にわたる文学作品を読むことは、時代を超えて何人もの登場人物の人生を共に歩むことです。また、自分とは異なるものの考え方、感情の動きにふれ、時代や社会の状況、思想、文化といった、その時々において人間を取り巻いている事象について知り、それらを総合して作品の世界をとらえていくことは、多くの情報を結集して、考え、自分なりの考えを構築していく作業であり、それによって現代を問い直すことにもつながります。さらには人間とは何か、<私>とは何者かを探っていく営みです。<私>を知ることによって、同時に他者を知る、他者の考えを受けとめる、思いに心を寄せることにも関わると思います。
 また、文学作品に用いられている文字、語彙、文章に注意しながら読んでいくと、時代の流れや書き手個人のなかでの文学を含め芸術に対する意識の有り様、文学者、言語学者たちの抱える問題意識についての理解を深めることができます。
 こうした学びは、豊かなコミュニケ-ション能力を身につけることにもつながるでしょう。読むという行為によって可能となる深い人間理解と、それをもとに他者と関わるために必要な表現力(読む力、書く力)を磨くことは、大学生活において重要なことであると思います。
 大学4年間は、近い未来に照準を合わせるだけではなく、長い人生にわたる知見や経験を積む時期です。国語国文学科で学ぶことは、日本、そして日本人の歴史や文化について学び、長い人生を生きるために必要な、そして豊かな感性をもって生きる力につながるものです。本学科では、皆さんが自らの意思のもと、思考し、表現する力を身につけることができるように、工夫を凝らした多彩な内容の授業科目を準備しています。いろいろなことに関心をもって、学びを深めていってほしいと願っています。
 
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