博士論文では、アリストテレスが『詩学』のなかで言及するあやまちという概念をもとに、アレクサンドル・アルディー、ジャン・ロトルー、トリスタン・レルミット、ピエール・デュリエ、ピエール・コルネイユ、ジャン・ラシーヌ、そしてジャン=ガルベール・ド・カンピストロンといった17世紀の劇作家の悲劇作品を演劇史的観点から分析しました。
フランス南西部にあるボルドーに6年半留学していました。フランス留学中には、学業以外にも指導教官や友人からおおくのことを学びました。外国人として過ごした6年半は忘れがたい思い出です。「そんなに長い間、よくボルドーにいたね」と言われることがあるのですが、環境の変化が苦手な反面、一度移動すると居ついてしまう性質があり、結局、引っ越しはできずじまいでした。
17世紀はフランスという国のアイデンティティーが形成された時代です。そのなかで作られた17世紀演劇の面白さをみなさんと共有できれば、大変うれしく思います。