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越 森彦 教授(文学部長)

専門分野
フランス文学・レトリック研究(とくにジャン=ジャック・ルソー)

自己紹介・学生へのメッセージ

文学部 フランス語フランス文学科
人は、どんな言葉に心を動かされるのでしょうか。同じことを言っていても、「なるほど」と素直に思えることもあれば、
「本当にそうかな」と感じることもあります。そこには、話の内容だけでなく、「この人の言うことなら信じてみたい」と思わせる語り方や、その人らしさも関わっています。私は、こうした「言葉が人に届くしくみ」をレトリック(説得の技術)の観点から研究しています。とくに関心を持っているのは、文章や言葉の中にあらわれる「語り手の印象」です。レトリックでは、これをエートスと呼びます。人は何を言うかだけでなく、どんな人として語るかによっても、相手に与える印象が変わります。私はこの点に注目しながら、文学作品や思想的な文章を読み解いています。
また、文章の中で使われている表現の工夫や、議論の組み立て方を分析し、「なぜこの文章は説得力があるのか」「なぜ心に残るのか」を考える研究もしています。たとえば、18世紀フランスの思想家ジャン=ジャック・ルソーの作品を取り上げて、言葉の選び方や論の運びにどのような特徴があるのかを見ています。文学を読むことは、作品の内容を味わうだけでなく、言葉がどのように人を動かすのかを学ぶことでもあると考えています。フランス文学を通して、文章を深く読み、自分の考えを言葉にする力についても、いっしょに考えていきたいと思っています。

 

大学院 フランス語フランス文学専攻・ 言語・文学専攻(博士)
大学院では、フランス文学作品や思想的な文章を、レトリック、論証、文体分析といった観点から研究しています。作品の中で、どのような表現が使われ、どのように話が組み立てられ、どのような印象が読者に与えられるのかを丁寧に見ていくことで、文学作品の新しい読み方が見えてきます。
近年は、フランスのバカロレアに見られる文学読解の方法にも関心を持っています。フランスでは、高校の「国語」の授業で、文章の表現や語り方、論の運びを細かく分析しながら読む訓練が行われています。こうした方法は、文学を深く読む力だけでなく、ものごとを批判的に考え、自分の考えをわかりやすく伝える力を育てるうえでも大切だと考えています。

趣味はマラソンです。走ることも、こつこつ続けることの面白さを教えてくれます。
自己ベストは3時間22分です。

担当科目

フランス語フランス文学科

  • 1年フランス語ⅠC
  • フランス語再履修クラス
  • フランス語発展読解Ⅰ,Ⅱ
  • フランス文学概論
  • 専門ゼミ「レトリック ー 言葉による説得の技術でフランス文学を学ぶ」
  • フランス文化研究F「バカロレアに学ぶフランス文学テクストの読解法」

担当科目の内容

フランス語フランス文学科

フランス文学概論

この授業では、フランス文学の代表的な作品を、比較的読みやすい部分から学んでいきます。文学にあまりなじみがない人でも、無理なく入っていけるように進めていきます。文学を読むというと、感想を言うだけの授業を思い浮かべるかもしれません。けれどもこの授業では、「この表現にはどんな意味があるのか」「なぜこの場面は印象に残るのか」を考えながら、作品を丁寧に読んでいきます。そのために、まずフランス文学史の基本を学び、作品を読むための土台を作ります。授業を通して、文学のおもしろさを知るだけでなく、文章を読み解く力や、自分の考えを深める力も身につけていきます。

専門ゼミ

レトリック —— 言葉で人を動かす技術を学ぶゼミ

ゼミは、先生の話を聞くだけの授業ではありません。自分でテーマを見つけ、自分で考え、それを自分のことばで伝える練習をする場です。このゼミでは、とくに「どうすれば自分の考えが相手に伝わるのか」「どうすれば相手に納得してもらえるのか」を考えていきます。
そのヒントになるのが、レトリックです。レトリックとは、言葉を使って相手に伝え、心を動かすための工夫のことです。ゼミでは、フランスの小説やエッセイを読みながら、登場人物や作者がどのように考えを表現しているのかを見ていきます。「この言い方はなぜ印象に残るのか」「なぜこの文章には説得力があるのか」といったことを考えながら読むことで、作品のおもしろさも少しずつ見えてきます。
また、このゼミでは、発表やディスカッションに加えて、ディベートも大切にしています。自分とは違う意見にふれながら考えることで、ものごとを一つの見方だけで決めつけず、より深く考えられるようになるからです。相手の話をきちんと聞き、自分の考えを整理して伝える練習は、文学を学ぶうえでも、大学で学ぶうえでも、大切な力になります。
こうした積み重ねを通して、文学を深く読む力だけではなく、自分の考えをまとめて伝える力も身につけていきます。

業績

  • « L’affaire Rousseau-Hume : vers l’éducation du lecteur » (『人文学報』第355号、東京都立大学人文学部、2004年)
  • « Les images de soi chez Jean-Jacques Rousseau : l’autobiographie comme politique » (2007年1月に口頭審査を受けた博士論文。グルノーブル・スタンダール第三大学提出)
  • « La provocation (?) de Rousseau –L’implicite dans la «dédicace» du second Discours » (『日本フランス語フランス文学研究』第92号、日本フランス語フランス文学会、2008年)
  • 「ルソーによる、ルソーのためのカリカチュア -「礼節」を込めて」(『人文学報』第406号、首都大学東京都市教養学部人文・社会系 東京都立大学人文学部、2008年)
  • 『白百合で学ぶフランス文学』(共著、弘学者、2011)
    「文学研究をめぐる座談会」という対話形式の文学入門です。文学なんて自分には関係ないと思っている人もぜひ読んでみてください。
  •  Les images de soi chez Jean-Jacques Rousseau : l’autobiographie comme politique, Classique Garnier, 2011.
    ヨーロッパ文学最初の自伝である『告白』を書いたので、ルソーというと赤裸々に自己の人生や私生活に描いた作家というイメージが強いです。しかし、ルソーは自分が読者に与えたいというイメージを巧みに計算して書いているのではないか?という疑問をもとにして書いたのがこの本です。ルソー好きには結構ショックかもしれません。
  • 『語学・文学研究の現在II』(共著、弘学社、2012)
  • 『ルソーと近代-ルソーの回帰・ルソーへの回帰』(共著、風行社、2014)
  • 『文学と悪』(共著、弘学社、2015)
  • 「ヴォルテールの『リスボンの災禍についての詩』とポウプ流オプティミズム : 《 Whatever is, is right.》 vs 《 Tout est bien. 》」(白百合女子大学『研究紀要』第51号、2015)
  • 『2016年度版仏検公式ガイドブック 傾向と対策+実施問題 準2級』(共著、公益財団法人フランス語教育振興協会(APEF)、2016)
  • 「論争家ルソー : 『ヴォルテールへの手紙』のレトリック分析」(中央大学人文科学研究所『人文研紀要』第84号、2016年)
  • « Le mémoire judiciaire et Les Confessions de Jean-Jacques Rousseau : scène judiciaire et écriture de soi »(中央大学人文科学研究所 『人文研紀要』 第90号、2018年)
  • 「ルソーの『エフライムのレヴィ人再考—連想遊戯のような解釈を疑う」(『引用の文学史 フランス中世から20世紀文学におけるリライトの歴史』、篠田勝英・海老根龍介・辻川慶子編、 水声社、 2019年)
  • 「ジャン=ジャック・ルソーのレトリック 『学問芸術論』における論点の変更」(⽩百合⼥⼦⼤学『研究紀要』第56号 2020年)
  • 「ジャン=ジャック・ルソーのレトリック(2) 『ボルド氏への最後の回答』における水掛論批判」(⽩百合⼥⼦⼤学『研究紀要』第57号 2021年)
  • 「ジャン=ジャック・ルソーのレトリック(3)『ダランベール氏への手紙』における保守派の論争(上)」(白百合女子大学『研究紀要』第58号 2022年)
  • 「ジャン=ジャック・ルソーのレトリック(4)『ダランベール氏への手紙』における保守派の論争(中)」(白百合女子大学『研究紀要』第59号 2023年)
  • 「よく読むためのレトリック:文彩の説得機能」(白百合女子大学言語・文学センター『言語・文学研究論集』第24号 2024年)
  • 「ジャン=ジャック・ルソーのレトリック(5)『ダランベール氏への手紙』における保守派の論争(下)」(白百合女子大学『研究紀要』第60号 2025年)
  • 「ジャン=ジャック・ルソーのレトリック(6)『ダランベール氏への手紙』における保守派の論争(続編1)」(白百合女子大学『研究紀要』第61号 2026年)

経歴

  • 上智大学外国語学部フランス語学科卒
  • 東京都立大学院にて修士号(文学)取得
  • グルノーブル・スタンダール第三大学にて博士号(文学)取得
  • 首都大学東京での非常勤講師を経て現職

所属学会

日本フランス語フランス文学会

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