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【報告】講演コンサート「ヴェルサイユのバロック鍵盤楽器~宮廷から大衆文化へ」が開催されました

2023年5月31日

 2023年5月24日(水)、世界的チェンバロ奏者である西山まりえ先生をお招きして、講演コンサート「ヴェルサイユのバロック鍵盤楽器〜宮廷から大衆文化へ」が開催されました。5月1日(月)の講演会に続き、白百合女子大学文学部「舞台芸術実践プログラム」新設記念として実施された文学部講演会であり、また大学院科目オムニバスA「大衆文化とメディア」、フランス語フランス文学会の共催として行われました。学内限定で行われたこの催しには、120名を超える申し込みがあり、会場のクララホールは学生と教職員で満員となりました。

 講演コンサートは、17世紀から18世紀の宮廷とチェンバロの歴史をめぐる絵画とお話、そして白百合女子大学所有のチェンバロによる演奏で進められました。演奏されたのは、クープラン、ラモー、デュフリ、バルバトル、ロワイエという5人の音楽家の作品です。チェンバロの奏法が確立されるルイ14世時代から、爛熟のルイ15世時代を経て、フランス革命の動乱に巻き込まれるルイ16世時代までと、時代によって音楽やチェンバロの音色が変化するのが印象的でした。また、クープランの「百合の花開く」という可憐な曲から、圧巻のデュフリ「シャコンヌ」、そしてロワイエの「めまい」と、チェンバロという楽器が持つ音色の豊かさ、迫力に圧倒される演奏でした。 
 
 講演会の後には、フランス語フランス文学会主催の茶話会が開かれました。リラックスした雰囲気の中で、西山まりえ先生とチェンバロの出会い、チェンバロとピアノとの違い、ヴェルサイユ宮殿の思い出などをお聞きすることができました。西山まりえ先生の楽しいお話と優しいお人柄に触れ、素晴らしい時間を過ごすことができました。


 多くの学生にとって、これがチェンバロの生演奏を聴く初めての機会だったようです。講演後のアンケートでは、「楽曲が生まれた時代の背景や作曲者のことを頭に入れてから聴くだけでこんなにも深く曲の世界に入っていけるのだなと驚きました。たとえば、『神秘のバリケード』では、華やかで騒々しいヴェルサイユの様子が浮かぶなど、何百年も昔の違う国の人がどこか近くに感じる不思議な時間でした。」「宮廷で披露されていた曲を通じて、音の重厚感や繊細さを感じました。ピアノとは違ったチェンバロ独自の響き、そして様々な音が重なり合って生まれる音の一体感にうっとりしました。」などの言葉が寄せられています。 
 
  貴重なお話とチェンバロの素晴らしい演奏をお聞かせくださいました西山まりえ先生、本当にありがとうございました。また白百合女子大学にお迎えできる機会がありますことを心から願っております。
 (白百合女子大学文学部)


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