2023年度前期顕彰授業
「わらべうた研究」 髙橋 佳奈枝先生(人間総合学部児童文化学科非常勤講師)髙橋佳奈枝先生に顕彰授業の工夫や取り組みをご紹介いただきました。
「わらべうた」が手あそびのように扱われ、とても残念に思い、先人たちは何を求めてこの「わらべうた」を口承伝承してきたかについて学んでほしいと考えてきました。
現場にいる保育士でさえ知らない「本当」を少しは手渡せたのではないかとうれしく思っています。
これは、近い将来おかあさんになって、出会うかもしれないひとたちへの贈り物だとさえ思っています。そしてそれは、生命の不思議と感動やワクワク感の中で、こどもを知ることでもあり、「ひと」を実体験の中で学ぶものです。
折しも、4月からコロナが5類扱いとなり、おそるおそるながら対面授業となりました。学生たちは、顔の見える・口元の見える「はなし」に耳を真剣に傾けてくれました。
「ひと」は顔を見て目を見て話すもの。保育園現場でもこのマスクの顔が問題になっており、言葉の獲得が遅れたり、対面することの重要性について危機感がもたれてきているくらいですので、やはりしっかり「ひと」に向き合う授業がしたかった。もちろん換気や手指の消毒など配慮しながら行うことにしました。
私の授業はほんの15回でしたが、それでも回を重ねる中で学生同士の人間関係が育くまれていくのが目に見えました。数回目かの授業の終わりに学生同士で情報交換をしたり情報共有したりする動きが自然と出てきたときに、これがわらべうたがわらべうたとして存在してきた証なのだと感じうれしく思いました。学生たちが楽しいと感じたのはこの仲間関係ができたことが大きいと思います。
授業では、パワーポイントも利用しながら、実際の子ども集団のあそびの様子やその分析などを話題にしながら、「ひと」を学ぶことを主にして考えるようにしました。
授業後のリアクションペーパーはそのために利用することを伝え、あそびの中で何を感じたか・どのように分析するかを記入してもらうようにし、その都度評価記録し、進めました。 また返却時にはなるべくコメントをそれぞれに記入しそれぞれの課題について深まるよう返す努力をしました。
あそびとは能動的に動くこと。これから社会人になることも見据え、与えられたことだけで、面白さは得られないこと・生活の中には勘やセンス磨きが大切なこと。それらが自分を楽しくすることであると気が付いた学生から楽しくなっていったと思います。
今回は学生たちに恵まれたことや、そしてその後ろにいるご両親の存在・会話の中で感じたことが大きな理由だといえます。こうして考えると家族・親子、そんな関係のなかで育まれ続けていく伝承の一つに少しはなれたのではないかと感じています。